受けた医療の内容や費用、薬に関する苦情を持つ患者の3割以上が誰にも相談できずに泣き寝入りしていることが27日、病院評価の第三者機関「日本医療機能評価機構」の調査で分かった。相談しない理由も「誰に相談していいか分からない」「相談しても解決しない」が8割近くを占めた。
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/kenko/news/20050628ddm041100057000c.html
私は薬局に勤務していることもあり、こうした声が本当に多いことを実感します。多くの患者さんは現在受けている治療に、不信感とまでは言いませんが疑問や不安を持っています。記事では3割が泣き寝入りとありますが、細かいこともあわせればほとんどの人に経験があるのではないでしょうか?
この問題の原因は医師と患者さんの両方にあると思います。
医師は患者さんに治療の説明をする義務・責任があります。日常業務が忙しく1人1人に割ける時間は少ないでしょうが、おざなりにしてはなりません。
そして残念なことですが、いまだに横柄な態度をとる医師が少なくないことも原因でしょう。若い医師はそうでもありませんが、中年以上の医師の中には「俺は患者を診てやっているんだ」という意識を持っている人もいます。まずはこういった圧力をかけてる側の人間が変わらないと、この問題は解決できないでしょう。
一方、患者さんも変わらなくてはなりません。治療は医師や病院関係者が受けるのではありません。治療を受けるのは患者さん本人なのです。
特に高齢者に多いのですが、治療をすべて医師に任せきっている人がいます。私はこういう人が信じられないのですが、どうして自分のことを他人に任せっきりにできるのでしょう?怖くはないのでしょうか?医師といえど所詮人間です。治療方針は人によって違いますし、選択した治療法が正しいとも限りません。せめて自分の受ける治療のメリット、デメリットぐらいは把握するべきだと思います。どうせ最後の最後は自分で責任をとらなくてはならないのです。自分の体にもっと興味を持ちましょう。
こういう話をすると「君は医療の知識があるからいいよ。でも、一般人は医師の説明を聞いたって理解できないし、信頼してまかせるしかないじゃん」とよく言われます。これは言い訳ではないでしょうか?知識がないのなら付ければ良いのです。それができないのなら知識のある人を頼ればいいと思います。
セカンドオピニヨンという方法もあります。医師から提案された治療法に納得がいかない場合などに、別の医師の意見を聞いてみる方法です。日本には「思いやりの精神」があるせいか、「そんなことをしたら医師に失礼ではないか」とか「医師の機嫌を損ねるのではないか」という考えによって踏み切れない人がいます。確かにセカンドオピニヨンによって機嫌が悪くなる医師はいるでしょう。カルテを提供しない医師もいると聞いたこともあります。しかし私は、それで機嫌を損ねる医師は所詮その程度の医師だと思うのです。そんなちっぽけなプライドを振り回す人に診てもらう必要はありません。本当に患者さんのことを思っている医師はきっと分かって下さるでしょうし、むしろ患者さんが納得できないようならセカンドオピニヨンを奨めてくるでしょうう。
あとこれは私の考えなのですが、薬局の薬剤師に相談するという方法もあります。医師と比べれば薬剤師は頼りないでしょう。確かに知識量では医師に遠く及びませんし、臨床の知識に関して言えば看護師にも劣るでしょう。これについてはちょっと言い訳をさせて欲しいのですが、医師には専門があって、その専門範囲を突き詰めて研究しています。いわば医師は学者なのです。それに対し、薬剤師は多くの科、疾患の処方せんを扱うため、幅広い知識を要求されます。だからどうしても1つ1つの疾患について深い知識を身に付けることはできないのです。
話を戻しますが、薬剤師に相談して下さい。ちょっと頼りないかもしれませんが、それでも一般の人よりかは遙かに知識を持っています。それに私たち薬剤師は割と暇です(笑)。すいている時間なら1時間でも2時間でも付き合います。わからないことがあれば調べることもできますし、何よりどれだけ相談しても無料です。まぁ、タイミングによっては特別指導加算(保険で70円程度)をとられることもありますが、それでも病院より格安です。
実際に私を頼ってくれる患者さんもいるのですが、その人は病院であまり相談しないで薬局で話を聞いていきます。その人いわく、「薬局は話しやすいし、丁寧に説明してくれるから」だそうです。その人には病気の基本的な説明から、治療法の説明、薬剤の説明まで2時間くらいすることもありますが、それでももらえるお金は微々たるものです。サービスだと割り切っているのでいいですけどね。
近年になり、医療はサービス業であるという当たり前の考えが拡がってきたこともあり、以前と比べて患者さんの立場が強くなりました。訴訟が増えているのもその現れだと思います。しかし、まだまだ患者さんは強くならなくてはなりません。そして自分の体に興味を持ち、もっと治療に参加しましょう。
関心の高いニュースだったため長文になってしまいました。ここまで読んでくれた人に感謝いたします。


